「あなたに伝えたい手話講座~聾者と手話で交流しよう~」を2023年3月24日に周南総合支援学校にて開催し,デフサッカー元日本代表の藤川章二氏を講師として迎えて講演とグループワークを実施しました。
講演の様子
周南総合支援学校と徳山高専の教員や学生,聴覚障害のある方や健聴者等,様々な背景を持つ23名の受講者が,手話を使って交流する機会となりました。周南総合支援学校の松本富士雄校長による開会の挨拶の後,講師の藤川氏が演題「私の価値観を変えた海外旅行の魅力」として1時間の講演を同支援学校教諭2人による手話通訳付きで行いました。
講師の藤川氏
デフサッカー日本代表時のグアム合宿をきっかけに海外旅行に魅せられ,これまで28か国を訪問した経験に基づき,エチオピアやミャンマーの聾学校や少数民族,フィリピンのスラムの生活,ハプニングなどを手話で生き生きと話す講演に受講者も聞き入っていました。
休憩の後,後半50分間はグループワークとして,手話ができる支援学校の教員と聴覚障害者3人と他の参加者を交えて,筆談ボードや支援機器のUDトークを使いながらグループごとに会話を楽しみました。
グループワークの様子
講師を囲んだグループでは「各国におけるデフサッカーの環境の違い」として,給料が支給されるナショナルチームがある国では,アジア大会で優勝したら家が寄贈され,選手のレベルやモチベーションが全く違うことも紹介され,盛り上がりました。『傍観者になるな。やらないで後悔するよりやって後悔したほうがまし。』という講師の熱いメッセージを受講者はそれぞれの立場でしっかり受け止めた様子でした。
「山口県手話言語条例」(令和元年10月制定)に調和し,手話を言語として普及を進めることを目的として令和4年6月から「あなたに伝えたい手話講座」を周南総合支援学校と開催してきました。今回は第10回で,2回目の対面実施です。他の8回はオンラインで行い,市民手話講習会テキストを基に手話を分かりやすく教えてきました。
2020年2月に締結した共生社会の実現に向けた三者連携協定(周南公立大学,周南総合支援学校,徳山工業高等専門学校)に基づき,周南総合支援学校と協力しながら,手話を必要とする聴覚障害者が手話で生活できる地域社会の実現を目指す活動の場を提供し,技術サポートを継続します。
ご協力,ご参加くださった皆様に感謝申し上げます。